学生と「発見」する、三浦綾子作品の魅力

2017年11月12日(日)、紀伊國屋書店札幌本店1階インナーガーデンで、「一緒に読もう、三浦綾子――若い読者と『発見』する、三浦綾子の魅力」というイベントを開催しました(主催:北海学園大学人文学部 後援:三浦綾子記念文学館)。

霜月なかばとは思われない寒さのなか、多くの方々にご足労たまわり、たいへん励まされました。あらためて、感謝申し上げます。

 

内容は、勤務校で精読している『細川ガラシャ夫人』と『氷点』の魅力を、ゼミ生たちにじかに語ってもらう、というものでした。

ほぼフリートークで進みましたが、ゼミで具体的に「構造分析」しながら読み進めた作品だけに、登壇した4人も、それぞれ堂々と「魅力」を語ってくれました。

 

今年度の1部ゼミでは、女子学生13人と、『細川ガラシャ夫人』の構造を丁寧に分析しながら読み進めました。綾子さん初の歴史小説で、登場人物も多い長編ですが、ゼミ生の話題の中心は、なんといってもオリジナルキャラクターである、「初之助」。

足軽の息子・初之助は、ヒロイン玉子(のちの細川ガラシャ)を要所要所で陰ながら支え、得意の「笛」の音色で玉子を励まし、玉子の没後、殉死するように命を捧げます。「初之助萌えっ♥」という新しい言葉まで誕生しました!

 

2部(夜間部)ゼミでは、男子6人女子3人の9人で、『氷点』を、同じく構造分析しながら読み進めました。綾子さんのデビュー作であり、代表作である『氷点』は、どの人物もきちんと造形され、各人の心理描写も細やかに描かれています。

「モブキャラ(その他大勢という存在)が一人もいない」、というゼミ生の言葉は、近年のライトノベルやゲーム(モブキャラがひじょうに多い)との比較の面からも、確かに「発見」と言えるものでしょう。

 

来年度以降も、ゼミ生と三浦綾子作品を読み、丁寧に構造分析をしていく予定です。また、こういった発表の機会をいただけることを願っております。

 

田中 綾