道南いさりび鉄道で、函館文学散歩

先日、「北海道書店ナビ」(株式会社コア・アソシエイツ)に登場させていただきました。書店員や、出版関係者が選ぶ、“5冊で「いただきます!」フルコース本”という企画です。

5冊にしぼるのは難しいものでしたが、「三浦綾子記念文学館館長がおすすめ! 『はじめての三浦文学』フルコース」というタイトルで、漫画も含めて、綾子さんの5冊を選書いたしました。 http://www.syoten-navi.com/entry/2018/03/26/091747

 

取材してくださったライターの佐藤優子さんは、ちょうど、『“日本一貧乏な観光列車”が走るまで 「ながまれ海峡号」の奇跡』(ぴあ、2018年3月)を上梓されたばかり。函館を走るローカル線「道南いさりび鉄道」特別観光列車の、まさに「奇跡」的な人気をルポしたご著書です。http://piabook.com/shop/g/g9784835638478/

そんな折、まさに奇跡的に(!)函館出張が入ったので、優子さんのご著書を手に、“いさりび鉄道体験”をしてきました。

 

函館駅から木古内駅まで、1時間余の各駅停車の旅。往復の車内でランチやディナーを堪能できる「ながまれ海峡号」は、要予約のため、残念ながら間に合いませんでしたが、1車両で走る車窓からは、海と山、雪解け間近の樹々を眺めることができました。

“臥牛山”の愛称で親しまれている函館山を、真横からパチリ。写真好きなかたなら、この列車に乗るだけで、ベストショットを狙えるでしょうね。

 

さて、函館を舞台とした三浦綾子さんの小説といえば、『ひつじが丘』。牧師の娘・奈緒実は、函館で育ち、札幌の女子高に転校したという設定でした。そして、杉原良一の熱烈な求愛ののち、新婚生活を送った地も函館でした。

 

函館の街に育った奈緒実には、札幌から函館まで八時間も汽車に揺られて行くことに、どれほどの勇気も決心もいらなかった。 (『ひつじが丘』)

 

執筆時の1965、66年には、札幌―函館間が「八時間」もかかっていたとは――今では、その半分の乗車時間になりましたが、列車やJRと言わず、「汽車」と呼ぶ北海道人のくせは、当時のまま変わっていないようです。

 

田中 綾