続・子どもたちがあったかーく眠れる国を願って

先月の内容の続きを少々。各大学などで行われている、食糧支援の話題です。

第二学期の授業が終わった大学では、試験やレポートに追われた学生たちもひと息ついているころです。とはいえ、新型コロナウイルス感染拡大の余波で、アルバイト先がない、また、実家の経済面にも変化があったなど、ほっとしてはいられない若者たちもいるのです。

勤務校では12月に教員有志で食糧支援を試み(先月のブログの内容です)、1月26日には、学生団体主催のかたちで2回目の支援を行いました。

お米、レトルトカレー、袋麺、みかんなどを受け取りに来た学生は、12月は約260人でしたが、今回は976人と、在籍者数の1割超にものぼりました。当日の詳しい様子を、地元の北海道放送(HBC)さんがニュース配信してくださったので、ご覧いただけると幸いです。↓

食料の無料配布に長蛇の列! 大学生が大学生に食料支援活動 北海道札幌市

https://news.line.me/issue/oa-hbcnews/qw0rrtao22ad?mediadetail=1%3Futm_source

「コロナによりアルバイトが減。父の収入が前年度の半分になり、(授業料を払いながら)生活することが困難になった」、「アルバイトの求人が全然なくて困っている」、「学費、生活費、全てが自己負担でアルバイトを毎日してもお金がありません。仕送りもなく食べるものも買えません。(略)今月は十日で1000円〔で〕生活しています。今日はビスケット3枚食べられましたのでましです」など、来場者アンケートには、困窮を訴える肉声が複数つづられていました。

卒業論文を提出したばかりの4年生も、「このまま卒業して社会人になることにとても不安を覚えます」と、明るい将来を思い描けないでいることに胸が痛みます。

2016年の映画、イギリスのケン・ローチ監督による『わたしは、ダニエル・ブレイク』は、何度も観なおした作品です。(公式HP https://longride.jp/danielblake/

物語は、イギリスが舞台。初老の大工ダニエルは、心臓の病で働けなくなりますが、公的援助の申請がなかなかうまくいきません。そんな中、2人の子を抱えたシングルマザーのケイティと交流が生まれます。とはいえ、互いに明日の食べ物にも困窮する日々――。

やっとたどり着いたフードバンクで、ケイティは缶詰を手にします。空腹のあまり、その場で缶を開けてむさぼり食ってしまったケイティの、直後の泣きくずれる姿に、観る側も涙がとまりません。

ケイティは、少ない食べ物を子どもたちに与えていたので、自分の胃の中はからっぽだったのです。現代のこの文明社会で、必死に、正直に生きている一市民が、必死に生きているがゆえに飢えてしまうとは……。

前回のブログで、「国家とは、夜、子どもたちが、あったかーく、何の心配もしないで眠るためにある」と書きましたが、子どもたちだけではなく、大人たちも腹八分満たされ、あったかーくして眠れる国家であることを、いっそう願わずにはいられません。

田中 綾